2021/04/22 10:09
1.コミュニケーションを良くする
① コミュニケーションの量を増やす。(考課者の責任として)
考課者は、あらゆる機会をとらえてコミュニケーションの機会を増やす。
評価育成面接(フィードバック面接)は、不可欠である。時間に余裕を持って行えるように工夫する。
② コミュニケーションの質を良くする。(被考課者の努力が必要)
人事考課は事実に基づいて行うものであるが、考課者が被考課者のすべての出来事(事実)を知っているわけではない。被考課者からの情報提供(報告、連絡、相談)がないと妥当な評価はできない。
したがって、人事考課の結果については、被考課者にも責任があるということを自覚させることが必要である。
③ 自己評価を活用する。
自己評価の結果について、なぜそのようなこと評価をしたのか、「評価の根拠」を提示するようにする。
考課者も思い込みや想像で評価するのではなく、この「評価の根拠」によって評価するようにする。
2.評価する力を身につける。
① 評価結果の妥当性と手続き的公正さを高める
人事考課のルールや基準を公開し、考課者はもちろん、被考課者にも浸透させる。ただ単にマニュアルや基準書を読み合わせるだけでなく、全社的な評価基準に基づいて、各職場における具体的な基準を考課者が示すようにする。
例えば、企画力について、「あなたの部下にとって企画力とはなんですか。どのような場面でどのように発揮されることを望みますか」を考え、その内容を被考課者に提示するようにする。
② 目標設定を工夫する(後から計測できるように表現する)
数値基準を設定できない目標について工夫する。
納期基準;「いつまでに、何をどうするのか」を明確にする
品質基準:「どのような品質・条件を盛り込むのか」を明確にする
状態基準:「どのような状態に変化させたいのか」を明確にする
③ プロセスを見極める
同じ結果であっても、この結果に至るプロセスは各々違っている。その違いを見つけて認める。
おなじ未達であっても、すごい努力をした結果のギリギリの未達なのか、努力不足の未達なのかを見極め、評価に反映したり、面接で努力を認めるような話をしたりする。
3.組織として対応する
① 評価検討会議の実施
考課者同士で評価の目線を合わせる機会をもつ。人間のランク付けではなく、「評価の証」についての見解をそろえていくようにする。
評価検討会議で決まったということであれば、被考課者に対しての説得力も出てくる。
② 評価に対する異議申し立ての場を設ける。
被考課者がどうしても納得できない場合は、その旨を申し立て、話し合いの場を提供する機関を設ける。
あくまでも話し合いの場を提供する機関とし、良い悪いを判断する機関としない。
4.組織全体の業績を上げる(考課者のマネジメント力を上げる)
組織全体の業績が上がっているということは、個人の評価も良いわけであるから納得性は高まる。そのために、マネージャーは適切な目標設定を行い、動機づけを行い、適切なアドバイスを行う。なわち、考課者のマネジメント力全般の向上が一番大事である。
5.人事考課の日常化を図る
毎日コミュニケーションをとり、毎日評価していれば、期末の評価は5分で終わる。
例:毎日こまめに掃除をしていれば、年末大慌てで大掃除をする必要がない。