人事考課制度はしっかり運用して初めて価値が出てくる。人事考課制度を適切に運用するためには、次のような点を考慮するとよい。
① 人事考課が機能する組織体系にする。
上司は上司、部下は部下といったような仕事の割り振りではなく、上司と部下の仕事が連動しており、部下の成長が上司の成果に結びつくような体系にする。
② 管理職の管理職としての意識を高める。
部下を評価し指導育成することが、管理職の大事な仕事であることを自覚するようにする。
③ 考課者に対して人事考課研修を継続して実施し、基準・ルールを浸透るようにする。
人事考課制度の導入時はもちろん、導入後も3年程度は継続して人事考課研修を行う。
3年後からは、新任の考課者に対して人事考課研修を定期的に行うようにする。
④ 考課者だけでなく、被考課者に対しても人事考課に関する研修を行う。
被考課者に対して、共通のルール・基準で自己評価できるように、また、人事考課制度の目的を誤解しないように被考課者研修を実施する。
⑤ 導入当初は試行期間を設ける。
処遇に連動するとなると色々な思惑が出てくるので、最初は処遇には関係しないことを明言した上で人事考課を行い、問題点や不都合点を抽出し実情にあるように修正する。