2022/02/28 09:57

 考課者は、実際に評価するに当たって次の5つのルールを守ることが必要です。
1つでもルールに違反していれば、それは「人事考課」ではなく、単に個人の「私的な見方」ということになってしまいます。 

① 事実に基づく評価(部下の行動観察記録の必要性)

 仕事における事実のみを対象に評価しなければなりません。先入観や偏見を持たず、評判や推測で判断せずに確認した事実に基づいて評価することが必要です。
また、いざ評価するとなってから「思い出して」というのも問題があります。人の記憶は実に曖昧なものだからです。日々の仕事で観察した行動を、記録しておくことが必要です。
事実に基づかない評価や曖昧な記憶に頼った評価は、誤った評価につながりますし、被考課者の納得を得ることは出来ません。

② 職務行動が評価の対象

 全ての事実が対象となるのではありません。仕事の中で観察された行動だけが対象です。事実であっても、職務に直接関係ない事柄を判定の材料としないように注意してください。
 
【人事考課の対象としてはいけないもの】
・    性別、学歴、職歴、資格、宗教、趣味
・    性格、特性(職務に関係ない能力)、価値観
・    業務外のプライベートな生活や活動

③ 対象期間を限定

 いくら事実である仕事上の行動であっても、対象期間以外の過去の行動は、除外して評価しなければなりません。「Aさんには、去年、こういう行動があったから」というように評価してはいけません。

④ 評価基準に照らして絶対評価

 評価は、記録した行動を評価基準に当てはめて絶対評価で判定します。他の社員と比較して判断しては、正しい評価は出来ません。

⑤ 人材育成のために

 人事考課は、結果を本人にフィードバックし、「強み」「弱み」を示して能力開発につなげることが目的です。それが出来ない評価のための評価は、意味がありません。育成面談、指導を念頭に置いた評価でなくてはなりません。